高度人材と高度専門職の違いは?
高度人材について調べたところ、高度人材や高度専門職という二つの言葉が出てくると思いますが、この二つに何が違いますか。
高度人材とは、特に高度の専門的な能力を持ち、定められた分野で70点以上のポイントが取れる外国人のことです。分野ごとに設けられたポイントのことを高度人材ポイントといいます。
高度専門職とは、高度人材ポイントの自己採点で70点以上あるとして、在留資格の変更などによって高度人材であることを入管から認められて、取れる在留資格*の一つです。このビザを初めて取れた時点では高度専門職1号となります。
*便宜上、このページでは、高度専門職ビザといいます
高度人材ポイント
高度人材ポイントを説明する前に、まずは高度人材には3つの分野があることをご存じでしょうか。
- 高度学術研究分野
- 高度専門・技術分野
- 高度経営・管理分野
この3つの分野にはそれぞれ違う在留資格が対応するでしょう。
- 高度学術研究分野
- 教育
- 研究
- その他
- 高度専門・技術分野
- 技術・人文知識・国際業務
- 企業内転勤
- その他
- 高度経営・管理分野
- 経営・管理
- その他
出入国在留管理庁のホームページで公表された資料によると、2021年末に高度専門職1号ロ(高度専門・技術分野)の在留資格を持って滞在していた外国人が高度専門職ビザ全体の8割以上を占めることから、このページでは、主に高度専門・技術分野についてのポイントをご説明いたします。
もし他の2つについてもご質問がありましたら、ぜひお問い合わせください。
高度専門職1号ロのポイント計算
高度専門職1号ロ、もしくは高度専門・技術分野のポイント計算には、主に以下の項目があります。
- 学歴
- 職歴
- 年収
- 年齢
- その他ボーナス
上記のポイント計算で合計70点以上取れれば、高度人材として認められ、高度専門職ビザに変更できます。または、高度専門職ビザに変更しなくても、取れたポイントの条件を保ちながら、3年・1年経てば、永住の申請ができるようになります。
項目 | 点数 | 基準 | 選択 |
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学歴 | |||
職歴 | |||
年齢 | |||
年収 | |||
研究 実績 | |||
資格 | |||
特別 加算 | |||
項目 | 基準 | 点数 |
---|
以上の試算は正確かどうか、最新かどうか、必ず入管のホームページまでご確認ください。
もしポイント計算についてわからないことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
大学がランキング300以内かどうかわからないが、どこで確認できるの?
入管のホームページでは不定期にランキングの加点対象となる大学のリストを公表するので、もしよかったら、以下のリンクでご確認ください。
会社に入って3年目となったが、職歴ポイントで5点もらえる?
職歴ポイントで点数がもらえるラインは3年の職歴があることが必要なので、会社で4年目になった時点で初めて3年の職歴があると考えられます。
職歴について聞きたいのですが、日本で就労ビザで5年間働いてから留学ビザに変更し、その後また就労ビザで2年間働いていました。このように5年+2年で7年間の職歴は認められるの?
この場合は、職務内容について、前職が現職に関連するものであれば、認められる可能性があります。
年収が500万円だったら、10点か15点もらえる?
35歳未満で、500万円でしたら、500万円以上に入るため、15点もらえます。
会社からもらっている給与のほかに、マンションの家賃は年収入に加算できる?
年収入は、一般的に会社からもらっている給与だけしか計算できないため、マンションの家賃は年収入に加算できません。
年収は今までの年収で計算するか、それとも、これからの年収で計算するか、教えてください。
年収は一般的にはこれからの年収で計算します。しかし、在留期間の更新申請をするときは、今まで受けた給与で計算します。
投資運用業等の業務に従事するというのは、具体的にどのような事業?
投資運用業等の業務に従事するというのは、例えば会社が第二種金融商品取引業や投資助言・代理業、投資運用業の登録を受けており、あなたはそのどれかの業務に従事することです。こちらのポイントがもらえるかどうかは、会社に確認する必要があります。
イノベーション促進支援措置というポイントの加算があるが、どのようにもらえるの?
イノベーション促進支援措置を受けるのは会社のほうとなるので、こちらのポイントがもらえるかどうかは、会社に確認する必要があります。
指定する外国資格について、どこで確認できるの?
外国資格が加点対象となるのは、まずこれから従事する職務に関連するものである必要があります。また、入管のホームページで公表されているリストに入っていなければいけません。もしよかったら、以下のリンクでご確認ください。
1年の在留期間があるCOEを受領しましたが、いつから1年を計算するのですか。
1年の在留期間があるCOEをお持ちの場合は、そのCOEで現地において申請なさったビザをもって、日本に入国した日からになります。
入国前結核スクリーニングについて
以下の国は、それぞれの日付から、現地で入国ビザを申請する時に、結核非発病証明書の提出が義務付けられますので、ご留意ください。
・フィリピン(令和7年6月23日)
・ネパール(令和7年6月23日)
・ベトナム(令和7年9月1日)
在留資格の更新はいつからできるの?
在留資格の更新は在留期限の3ヶ月前からできるというのですが、たとえば、在留期限が7月1日だとしたら、4月1日以降、更新の申請ができるでしょう。
在留資格の更新申請の結果はだいたいいつわかるの?
まずは更新申請は必ずしも許可されるわけではありません。日本にいる間にきちんと生活していたか審査されます。
そして仮に技術・人文知識・国際業務という在留資格の更新で無事に通るとしたら、公表されたデータによると、平均的に〇〇日かかりますが、個別の状況により、早くなることもあれば、それより遅くなることもあります。
高度人材のメリット
高度人材のポイント計算で70点以上取れた場合で、高度専門職ビザを取得したときは、以下のメリットがあります。
- 複合的な在留活動が許される
- 在留期間が5年与えられる
- 永住許可の要件(在留歴)が緩和
- 配偶者が就労可能に
- 親の入国(条件あり)
- 家事使用人の帯同
- 在留手続き等の優先処理
- ほぼすべての就労活動が可能(高度2号)
- 在留期間が無期限(高度2号)
複合的な在留活動が許される
例えば、「研究」の在留資格をもって大学で研究を行う方は、研究の成果で会社を立ち上げ、研究をしながら経営することが認められませんが、高度専門職1号が取れれば、それが可能になります。
在留期間が5年与えられる
一般の就労ビザの在留期間は1年や3年与えられることが多く、5年ではあまりありません。それに対して、高度専門職1号が取れれば、いきなり5年の在留期間が与えられます。
永住許可の要件(在留歴)が緩和
原則として10年以上日本にいなければ永住許可の申請ができませんが、高度人材(高度専門職ビザに変更なし)でしたら、高度人材となった日から3年以上日本にいれば、永住許可の申請ができるようになります。さらに、80点以上ある高度人材でしたら、1年以上いれば申請ができるようになります。
配偶者が就労可能に
通常、「家族滞在」で日本にいる配偶者は就労することができませんが、高度専門職ビザを持っている方の配偶者で「技術・人文知識・国際業務」などに当たる就労活動の仕事をフルタイムでしようとする場合は、配偶者も就労可能な「特定活動」を取ることができます。
親の入国(条件あり)
一般の就労ビザでは、配偶者や子供と一緒に日本にいる「家族滞在」のように、親の受入れは認められませんが、高度専門職ビザを持っていれば、一定の条件で親の入国や在留が認められます。子供が生まれたばかりで、親に子供を育ててもらいたい場合は、高度専門職ビザが役に立つでしょう。
家事使用人の帯同
今まで母国で雇っていた家事全般に従事する人を引き続き雇用しようとするときは、一定の条件でその人を日本に帯同することが認められます。
在留手続き等の優先処理
在留資格を変更するなどの申請は通常、3週間から1か月かかることが多いですが、高度専門職ビザに変更する場合は、優先的に処理され、約1週間とされます。
ほぼすべての就労活動が可能(高度2号)
高度専門職1号を取得し、さらに高度専門職2号に変更したら、今まで認められた活動のほか、その活動と併せて他のほぼすべての就労ビザにあたる活動を行うことが認められます。
在留期間が無期限(高度2号)
在留資格の中で永住者を除き、高度専門職2号のみ在留期限が無期限となります。
特別高度人材(J-Skip)
特別高度人材(J-Skip)はこれまでの高度人材ポイントとは違い、以下の条件をすべて満たせば、特別高度人材として、「高度専門職」という在留資格の申請ができ、無事に審査が通り、来日しましたら、通常の10年の永住の要件を1年と大幅に短縮されます。
高度学術研究 高度専門・技術 |
|
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高度経営・管理 |
|
追加優遇措置
このJ-Skipは、通常の高度人材の優遇措置に加え、以下のこともあります。
- 外国人家事使用人が2人まで雇用できます。
- 配偶者は、「技術・人文知識・国際業務」などに加え、「技能」などにあたる活動も認められます。
- 空港にあるプライオリティーレーン(優先レーン)が使えます。
申請の流れ
高度専門職ビザの変更などの申請は、一般のビザ申請と似たような流れとなります。
それでは、一般的な申請の流れを見ていきましょう。
1. 事前相談とお見積り
お客様の現状を聞き取り、必要なことは提案いたします。
相談後、その結果に沿ったお見積書を発送いたします。
2. 着手金・契約の確認
弊所は前ステップで見積もった報酬の半分を着手金としていただいております。着手金を見積期限内に確認できましたら、見積日を基準に順次着手いたします。
もし契約の締結が欲しいのなら、面談もしくは郵送にてご対応いたします。
3. 必要書類リスト提示
必要書類リストは、関係部門のホームページや他のサイトにも載せてあると思いますが、お客様の現状によって独特な書類が必要となることがあります。このような書類は一般的には提出の時に求められることはあまりありませんが、審査の途中で追加提出と求められることがあります。
弊所は、お客様の現状をもとに総合的に判断し、途中で求められる可能性が高いと考える書類を事前にお客様に用意していただくことで、審査がよりスムーズになることもあり、予定どおりに許可が降りることに力を入れております。
4. 必要に応じて二次面談
ご依頼いただいてから、個別事情の詳しい確認や、理由書の作成、永住申請の場合など必要に応じて、2回目の面談が必要になることがありますが、ネットでのご対応も可能です。
5. 申請書類の作成
申請書類は基本的に弊所から、お客様の状況を聞き取った内容に基づいて作成いたします。作成に必要な日数は許認可によって違います。
また、平面図など現場にお伺いし、実際に測って作成する書類もあります。この場合は、お客様の承諾を事前に得てからお伺いします。
6. 申請書類の提出
お客様に集めていただくものと弊所が作成するものが揃っていれば、弊所から申請します。
7. 関係部門の審査
許認可の場合は、申請しましたら、関係部門が審査に入ります。審査にかかる日数は許認可によって違います。一般的には約30日かかります。途中で書類の不備などで連絡が来ることがありますが、弊所に依頼していただく場合は、弊所の代表が直接対応いたします。
8. 結果が出る
前ステップで審査が終わりましたら、関係部門から審査完了の連絡が来ます。
許可が出る場合は、許可証などを弊所が受け取りに伺います。もちろんお客様が同行なさることもできます。このステップで許可の受け取りに登録免許税や収入印紙などを支払うことがあります。この場合は、弊所が許可を受け取る前に関係する税金を金額によって先にお客様に請求させていただくことがあります。
しかし、不許可の場合は、その理由を聞き取ります。許認可によって、条件を改めてそろえば、新たな状況として再び申請できる場合もあります。
なお、旅行業などの登録を申請する前に旅行業協会への加入などの事前入会が必要な場合は、ステップ(必要書類リスト)からステップ(結果が出る)までもう一回ループすることになります。この場合に、弊所へフル依頼なさるときは無償で申請の代行をいたします。
9. 残金のお支払い
無事に許可が出ましたら、弊所から報酬の残金と立て替えたお金などの請求書を発送いたします。
まとめ
高度人材と高度専門職ビザの違い、それに特別高度人材についてご説明いたしましたが、高度人材はビザ変更しなくてもポイントが足りていればすむのに対し、高度専門職ビザはビザ変更によって入管から高度外国人材だと認定されます。
また、当ページで高度人材ポイントの計算表によって、自分が今、何ポイント取れているか確認してみてはいかがでしょうか。
もし何か聞きたいことなどありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。