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経営・管理ビザ

公開:2022.1.24
更新:2025.10.29

経営・管理

最近「タピオカ店を開きたい」「不動産会社を立ち上げたい」という思いで日本に来られる外国人が増えていますが、2025年10月以降、単に「会社を設立する」だけでは、経営・管理ビザは取得できません。日本政府は、このビザを「本物の経営者」だけに開放し、「名義貸し」「ペーパーカンパニー」「単なる投資」は一切認めません。

もし、あなたがすでに海外で事業を営んでおり、それを日本に移転・拡大したいと考えているなら——そのビジネスが「実質的な経営活動」を伴い、雇用を生み出し、日本語で円滑に運営できる体制を整えているかが、審査の鍵になります。

経営・管理ビザは、学歴や職種に制限がなく、「誰でも取れる」ビザではありません。むしろ、他の就労ビザよりもはるかに厳しい5つのハードルが設けられています:

  • 日本人や永住者など、法的に認められた「常勤職員」を1人以上雇うこと
  • 事業に3,000万円以上の実質的資金を投下すること(法人なら資本金、個人なら設備・給与・賃料の合計)
  • 申請者か雇用した職員のいずれかが、JLPT N2相当以上の日本語能力を有すること
  • 経営管理の実務経験3年以上、または関連分野の修士・博士号を保有すること
  • 中小企業診断士、公認会計士、税理士のいずれかによる「事業計画書の実現可能性評価」を必ず添付すること

この記事では、これらの新基準を一つひとつわかりやすく解説します。単なる「ノウハウ紹介」ではなく、あなたが本当に「日本でビジネスを成功させるための現実的な道筋」を示します。

「ビザが取れればOK」という安易な考えでは、新基準下では絶対に通じません。準備を間違えると、数百万円の投資が無駄になり、日本での長期計画も崩れます。

※便宜上、この記事では「在留資格」のことを「ビザ」と表記することがあります。

経営・管理ビザ新基準:5つの必須条件

令和7年10月16日より、日本での「経営・管理」在留資格の取得基準が大幅に改正されます。これまでより厳しくなり、単に「ビジネスを始める」だけでは許可されなくなります。経営・管理ビザは、日本で会社を設立・経営し、長期的に活躍したい外国人起業家にとって最も重要な在留資格です。新基準は以下の5つの項目を満たすことが必須となります。

  • 常勤職員の雇用:日本人、特別永住者、または「永住者」「日本人の配偶者等」など法別表第二に該当する在留資格を持つ方を、少なくとも1人以上雇用しなければなりません。他の在留資格(例:技術・人文知識・国際業務など)を持つ外国人は対象外です。
  • 資本金・事業資金の要件:法人の場合、払込済資本が3,000万円以上。個人事業主の場合、事業所の賃料・1年分の給与・設備投資など、事業を始めるために実際に投下した総額が3,000万円以上である必要があります。
  • 日本語能力の要件:申請者本人または雇用する常勤職員のいずれかが、日本語能力試験(JLPT)N2以上、またはBJTビジネス日本語テスト400点以上の能力を有している必要があります。その他の証明方法として、日本での大学卒業・義務教育+高校卒業・20年以上の在留経験なども認められます。
  • 経歴・専門性の要件:博士・修士・専門職学位を取得していること、または経営・管理の実務経験が3年以上あることが求められます。起業準備活動(特定活動51号)の期間も経験としてカウント可能です。
  • 事業計画書の専門家確認:提出する事業計画書には、中小企業診断士・公認会計士・税理士のいずれかによる「具体性・合理性・実現可能性」に関する評価書(確認文書)の添付が義務付けられます。

これらの要件はすべて「同時に満たす」必要があります。どれか一つでも欠けていると、申請は却下される可能性が極めて高くなります。新基準は「本格的な経営者」を対象としており、単なる投資や名義貸し、いわゆるペーパーカンパニーの設立では許可されません。

実態重視:事業所と雇用の真偽

新基準では、「経営者としての実態」が厳しく審査されます。単に会社を設立しただけでは不十分です。以下のような点が特に注目されます。

  • 自宅を事業所として使用することは原則不可:自宅の一部をオフィスとして使う「在宅起業」は、経営活動の実態が薄いと判断され、許可されません。専用の事務所(賃貸オフィスなど)を確保してください。
  • 業務委託だけでは経営者活動と認められない:自社の業務をすべて外部業者に委託し、自分は「監督」だけしているような形態は、「経営・管理」として認められません。自らの判断で事業を運営し、意思決定を行う実質的な経営活動が不可欠です。
  • 常勤職員の雇用は「労働関係」であることが必須:契約社員・アルバイトではなく、正規雇用(常勤)で社会保険に加入させる必要があります。雇用契約書、給与明細、健康保険・厚生年金の加入証明書なども提出を求められる可能性があります。
  • 長期間の出国は在留更新に影響します:在留期間中に正当な理由なく、長期間日本を離れていると、「本邦における活動実態がない」と判断され、在留期間更新が拒否されることがあります。海外出張は短期間などにし、日本に拠点を置く姿勢を示しましょう。

日本政府は、「経営・管理」ビザを、単なる「在留手段」としてではなく、「日本経済に貢献する本物の起業家」を招くための制度として位置づけています。そのため、実際の事業運営と雇用創出が、審査の中心のひとつとなります。

日本語能力:N2以上と証明方法

新基準では、申請者または雇用する常勤職員のいずれかが「相当程度の日本語能力」を有することが求められます。これは、日本のビジネス環境で円滑にコミュニケーションを取るための必須条件です。

  • 「相当程度」とは?:日本語教育の参照枠(CEFR)で「B2相当」以上。これは、日常会話だけでなく、ビジネス文書の読み書き、会議での意見交換が可能なレベルです。
  • 証明方法
    • 日本語能力試験(JLPT)N2合格証書または成績証明書
    • ビジネス日本語能力テスト(BJT)400点以上取得の証明書
    • 日本の大学などを卒業したことを証明する卒業証書
    • 日本の義務教育(小学校・中学校)を修了し、高校を卒業したことを証明する書類
    • 中長期在留者として日本に20年以上在留していることを証明する住民票や在留カード履歴
  • 申請書への記入方法:在留資格認定証明書申請書(所属機関作成用1)の「日本語能力を有する者の有無」欄には、「申請者がJLPT N2合格」「雇用した職員がBJT 450点取得」など、具体的に記入してください。単に「日本語が話せます」とだけ書くと不十分です。
  • 注意点:日本語能力は「申請者本人」が満たす必要はありません。雇用する常勤職員(永住者など)がN2以上であれば、申請者は日本語が話せなくてもOKです。ただし、雇用する職員が日本人などであれば、この日本語能力要件は満たされたとされます。

日本語が苦手な方は、まず「常勤職員」の雇用を最優先に検討しましょう。日本語が堪能な日本人などを雇うことで、この要件はクリアできます。

事業計画書:専門家確認が必須

新基準では、単なる「事業計画書」の提出ではなく、「専門家による評価」が必須です。これは、あなたのビジネスが「本当に成功する可能性があるのか?」を第三者の目で検証してもらう制度です。

  • 専門家とは?:施行日時点で、以下の3つの資格保有者に限られます。
    • 中小企業診断士
    • 公認会計士
    • 税理士
  • 専門家が確認する内容の具体例
    • 事業内容の具体性(何を売る?誰に売る?)
    • 収支計画の現実性(売上予測・コスト見込みが妥当か)
    • 資金計画の信頼性(3,000万円以上の資金が本当に確保できているか)
    • 市場分析と競合の理解度
  • 提出する文書の例
    • 専門家が作成した「事業計画書評価書」(様式自由)
    • 専門家の名刺・資格証明書のコピー
    • 専門家との面談記録(メールやメモでも可)
  • 注意点:弁護士や行政書士は、このページを更新した時点では、この「専門家確認」の対象ではありません。また、弁護士や行政書士ではない人が「報酬を得て申請書類の作成を業とする」行為は行政書士法違反に該当する恐れがあるため、絶対に避けてください。専門家は「評価者」であって、「代筆者」ではありません。

この専門家確認は、審査官にとって「あなたの事業が本物かどうか」を判断する最も信頼できる材料です。安易に「自分だけで書いた計画書」を提出すると、ほぼ確実に却下されます。早めに専門家と相談し、信頼できる評価を得ましょう。

在留期間更新と既存の申請者への対応

新基準は令和7年10月16日から適用されますが、既に日本で「経営・管理」ビザを保有している方や、申請中の方には特別な配慮があります。

  • 令和7年10月15日以前に申請済みの方:審査が進行中であれば、旧基準(改正前)で審査されます。安心して手続きを進めてください。
  • 既に「経営・管理」で在留中の方(令和10年10月16日まで):この期間中は、新基準を満たしていなくても、経営状況が良好で、今後新基準を満たす見込みがあれば更新が可能です。例:資金不足だが、来年度に投資家から出資が決定しているなど。
  • 令和10年10月16日以降の更新申請:この日以降は、新基準を完全に満たすことが絶対条件になります。それまでに常勤職員を雇い、資本金の要件を満たし、日本語能力や専門家評価を得てください。
  • 「特定活動」から変更する方
    • 「外国人起業家(スタートアップビザ)」:令和7年10月15日以前に確認証明書を取得している→旧基準適用
    • 「未来創造人材(起業準備活動)」:令和7年10月15日以前に申請中または在留中→旧基準適用
    • それ以降の申請・取得→新基準適用
  • 永住許可への影響:新基準を満たしていない状態で「経営・管理」ビザを保有していても、永住許可や高度専門職への昇格は一切認められません。新基準を満たすことが、将来のステップアップの前提です。

「まだ大丈夫」と油断せず、今すぐ自分の状況を確認し、新基準に向けた準備を始めてください。特に「常勤職員の雇用」と「専門家確認」は、準備に時間がかかります。早めの行動が成功の鍵です。

事業所

経営・管理ビザの取得に必要な要件に、「事業所」があります。

事業所は、オフィスのことで、独立した空間でなければなりません。例えば、事業用のマンションの一室などが該当します。バーチャルオフィスやシェアオフィスなど、物理的に独立した空間がないオフィス形態は、在留資格の申請上、難しいです。

既存会社の場合

既に存在した会社の経営や管理に従事しようとするときは、そのオフィスは独立した空間でなければ許可されにくいです。

法人の設立は、その所在地に必ずしも独立した空間があるわけではありません。バーチャルオフィスなどでも登記できることがありますが、経営・管理ビザを取得するための要件は満たしにくいです。

新規設立の場合

新たに会社を設立し、事業を開始しようとするときは、独立した空間のあるオフィスを確保します。

通常、気になったオフィスを借りるために締結した賃貸借契約でこの要件を満たします。なお、気になったオフィスはあったが、まだ契約の締結をしていない場合でも、この要件が満たせることもあります。詳細は LINE(パソコンでの方はLineID: leonghoufaioffice)まで。

管理職の場合

一定規模の会社には様々な役職があります。主任や課長、部長、取締役、代表取締役など、役職によって責任が異なります。

しかし、はっきりした規定で部長の仕事は何かとか定められていないため、違う会社なら同じ役職でも必ずしも意味や責任も同じとは限りません。

便宜上、管理職は部長や支店長などの管理者のことをいいますが、もし管理職で経営・管理ビザを申請しようとする場合は、実際にどのような業務に従事するかなどを個別に判断します。

管理職で経営・管理ビザを申請しようとするときは、勤め先の事業所とその規模の要件のほか、次の要件をすべて満たす必要があります。

  • 3年以上の経験
  • 日本人以上の報酬

3年以上の経験

ここで言う3年以上の経験は、大学院で経営・管理の科目を専攻して、教育を受けたり修士課程を修了したりした期間を含んで、事業の経営・管理について3年以上なければなりません。

  • 大学院1年、実務経験2年で OK
  • 大学院2年、実務経験1年で OK
  • 大学院3年、実務経験なしで OK

日本人以上の報酬

判断基準はいろいろあります。例えば、支店長の業務に従事する場合、他の同じような業務に従事する支店長の報酬などと同じ、あるいは、それ以上である必要があります。

よくある質問(FAQ)

1年の在留期間があるCOEを受領しましたが、いつから1年を計算するのですか。

 1年の在留期間があるCOEをお持ちの場合は、そのCOEで現地において申請なさったビザをもって、日本に入国した日からになります。

入国前結核スクリーニングについて

 以下の国は、それぞれの日付から、現地で入国ビザを申請する時に、結核非発病証明書の提出が義務付けられますので、ご留意ください。
・フィリピン(令和7年6月23日)
・ネパール(令和7年6月23日)
・ベトナム(令和7年9月1日)

在留期間の更新はいつからできるの?

 在留期間の更新は在留期限の3ヶ月前からできるというのですが、たとえば、在留期限が7月1日だとしたら、4月1日以降、更新の申請ができるでしょう。

在留期間の更新申請の結果はだいたいいつわかるの?

 まずは更新申請は必ずしも許可されるわけではありません。日本にいる間にきちんと生活していたか審査されます。
 そして仮に技術・人文知識・国際業務という在留期間の更新で無事に通るとしたら、公表されたデータによると、平均的に〇〇日かかりますが、個別の状況により、早くなることもあれば、それより遅くなることもあります。

まとめ

経営・管理ビザを取得するために満たす必要がある要件を確認してきました。

通常は、会社を設立し、経営・管理ビザを取得するという流れですが、会社を設立する前や事業所を借りる前でも取得できることがあります。ただ、会社を設立する前にビザ申請できるといっても、設立の直前ではない場合や詳しく書かれている事業計画書がない場合などは難しいです。

このサイトは梁豪輝行政書士事務所の代表者・梁が監修などしたものでございます。

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